つついまさのり筒井政憲
筒井伊賀守・五年前の南町奉行
安永七年に久世広景の次男に生まれ、筒井左膳の養子となる。
まず儒学者(将軍相手に林大学頭の代講が務まるレベル)として頭角をあらわし、 長崎奉行三年・江戸南町奉行二十一年(最長在任記録)ほか要職を歴任、水野に排斥された天保改革期を除き八十過ぎまで現役で働き続け、近藤重蔵親子処罰・シーボルト 事件・仙石騒動・河内山宗春逮捕・対露交渉など江戸時代後期の大事件あらかたに関わっている。たぶん徳川幕府史上もっとも働いた旗本だろう。特に島津斉興を隠居に 追い込んだ手際は「鉄拳にビロードの手袋」と形容される。
また長崎時代に貿易量を拡大、余興でオランダ人のオペレッタを観劇してそれを江戸に紹介したりもしている。 阿部正弘が老中になったとき、海防問題で真っ先に相談したのが筒井だった。
鑓奉行を最後に安政六年没。砲術家の下曽根金三郎は次男。作家の筒井康隆は子孫ではない。
十六193
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A・徳富蘇峰「近世日本国民史・開国日本(一)」(1979.講談社学術文庫)・眞壁仁「徳川後期の学問と政治」(2007.名古屋大学出版会)・中村洪介「近代日本洋楽史序説」(2003.東京書籍)
筒井左膳/徳川家斉/徳川家慶/水野忠邦 /近藤重蔵/島津斉興/阿部正弘

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