つだゆう
陸奥の寒風沢生まれ。水主として廻米船・若宮丸に乗り組み寛政五年十一月に石巻港を出た。途中で嵐により遭難、アレウト列島に漂着。 まもなく船頭の平兵衛が病死したため、最年長の津太夫が一応のリーダーになる。レザノフの計画に巻き込まれ、気がついたら世界を一周し日本に帰っていた。
仙台に帰り、大槻玄沢の尋問により「環海異聞」を語り残す。玄沢は「おろかでつたなく知識のない雑民」などといっているが、 それまで読み書きの必要もなかった水夫にそこまで言うのは酷である。むしろ初めての海外旅行にしてはよく観察していると評価すべきだろう。
文化十一年、 七十才で没。
十二222-251十七227
A・石巻若宮丸漂流民の会編「世界一周した漂流民」(2003.東洋書店)
レザノフ/新蔵/クルーゼンシュテルン/ アレクサンドル一世/遠山景晋/大槻玄沢

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