パーヴェル=ペトロヴィチ=ロマノフ
1754年生まれ、ピョートル3世とエカテリーナ2世の子、と確言は出来ない。幼少から自分がサノバビッチであることに悩み、母との仲は良くなかった。
彼は心の隙間を埋めるためフリーメーソンに入会した。これは当時においては啓蒙的思想を持つことであった。1796年即位すると4年余りで2179の法律を作った。 移り気ではあるが基本的にマジメな性格で、早寝早起き・質素倹約、貴族に厳しく百姓に優しかった。
内心ではフランスの同胞が関わった革命に同情的であり、次第に ナポレオンと接近していった。反革命諸国と国内のタカ派は大いに怒り、クーデターの計画を立てる。1801年3月11日に刺客団が寝室に乱入し惨殺された。
※水野英子の名作「白いトロイカ」に出てくる主人公の両親を殺した皇帝は、年代的にみてエカテリーナとパーヴェルを合成した感じである。本来悪人ではないのだが、 三角関係のもつれから悪堕ちしたっぽい描写。
十一124,132,150十二44
土肥恒之「よみがえるロマノフ家」(2005.講談社選書メチエ)・デヴィッド=ウォーンズ「ロシア皇帝歴代史」(2001.創元社)・H=カレール=ダンコース 「エカテリーナ二世上・下」(2004.藤原書店)・水野英子「白いトロイカ」全二巻(2002.講談社漫画文庫)
大黒屋光太夫/エカテリーナ女帝/ラジシチェフ/ アレクサンドル一世

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