もりしまなから桂川虞臣
二世風来山人・天竺浪人
桂川甫周の弟。森島とは桂川家の本姓で、医者として初代の甫筑が恩師の「嵐山甫安」に引っ掛けて桂川を名乗ったのだ。他に森羅万象などとも称す。
兄の知識をより噛み砕いた啓蒙的性格の本を多く出した。「北槎聞略」も半分くらい手伝っているらしい。文人としては平賀源内に兄事し、その死後二世風来山人を 称し戯作界の中心人物となった。(ほかに林子平などが友人であるが、友の仇であるはずの松平定信に一時仕えていた)くわえて絵画も考証学も一流で、「雨月物語」 の作者が上田秋成であることを特定したのが中良である。
とにかく変人で、家族がシラミだらけの着物を洗おうとすると「一匹は残しておいてくれ、また増やすから」 と頼んだ逸話がある。文化五年没。
十22,56十二72
C・今泉源吉「蘭医桂川の人々」全三巻(1965-1969.篠崎書林)・「叢書江戸文庫32・森島中良集」(1994.国書刊行会)
桂川甫周/林子平/平賀源内/松平定信

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