いしでたてわき
幕府の牢奉行石出家は代々帯刀を名乗った。ここでは三代常軒(吉深)、長英が破獄した時の常真を併せて語る。
常軒は単なる人情家の刑務所 所長でなく、山鹿素行に学び山崎闇斎に教えて垂加神道を生んだ日本思想史上重要人物である。おそらく「犯罪者とはいえ皇国の民を無意味に殺してはいけない」という信念 で切放しを断行したのだ。
子孫は代々この慣習を受け継ぎ、常真は天保十四年の火事で長英を切放した。本当はまだ鳥居時代の話なのだが、遠山と親しかったのは事実 で、金さんの墓に石灯籠を寄進している。
※山田風太郎「警視庁草紙」のなかには「最後の牢奉行」という話があって、ドラマ版では佐野史郎が明治時代の帯刀を 演じていた。
十八78-88
堀勇雄「山鹿素行」(1959.吉川弘文館人物叢書)・岡崎寛徳「遠山金四郎」(2008.講談社現代新書)
保科正之/山鹿素行/高野長英/遠山金四郎

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