ちばしゅうさく千葉成政
寛政六年、気仙沼生まれ。年配者のイメージしかないが、光太夫が帰って来たときまだ生まれてもいなかったのだ。
先祖は源頼朝の挙兵に二万騎 で馳せ参じた豪族千葉氏だそうで、田舎剣客だった父は家名再興すべく、一家で千葉県松戸にやってきた。周作はその地でアサリ売りをやっていた浅利又七郎に小野派一刀流 を学び、さらにそのまた師匠の中西忠兵衛に入門してどんどん強くなった。
やがて独立、家伝の北辰夢想流と一刀流を合わせて北辰一刀流を名乗った。さらに弟子たちと 諸国を回ってフランチャイズ拡大に励んだ。
玄武館道場ははじめ日本橋、のち神田お玉が池に移り、道具の改良や要領のいい指導で大人気になった。司馬遼太郎の 「北斗の人」では典型的合理主義者として書かれているが、近ごろは北極星信仰とからめたオカルト的解釈もある。
晩年は水戸藩からも禄をもらっている。安政二年没、実は東條一堂より早く死んでいるのだ。土地を買い取ったのは息子の代ではないだろうか。
十五12十七278十八28-30,59-62,175-192十九90-91
幕末三156十一10十三75
A・江崎俊平「日本剣豪列伝」(1970.現代教養文庫)・平野貞夫・千葉吉胤妙星「坂本龍馬と謎の北極星信仰」(2010.小学館)この漫画的には武内つなよし 「赤胴鈴ノ介」
東條一堂/島田虎之助/桃井春蔵

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