名前もわからないのに無印ワイド版2巻の表紙を飾ったりしている、なにげに最初から最後まで登場し続けた男。いったい何者なのか。
静岡県の宣伝するところによれば、家康は秀忠に将軍職を譲った後もすべての実権を保持しており、あらゆる政策を駿府城から指令していて、静岡こそ日本の首都だったのだというが、 本当かねえ?だいたい時代劇で大御所と一緒に陰謀をめぐらせているのは本多正信だが、こいつをはじめ徳川重臣たちの大半は、関ヶ原の時から秀忠に付けられている。 家康が駿府に連れて行ったのは正信の息子の正純ほか、安藤直次とか成瀬正成とか板倉重昌とか中堅以下の旗本たち、または金地院崇伝・南光房天海・林羅山といった文系ブレーン、 さらに大久保長安・茶屋四郎次郎・角倉了以・三浦按針など異能の人材が集まって、日本の将来を好き勝手に語り合っていたみたいである。洋式帆船を造ってばんばん貿易したりしてるし、 豊臣殲滅や鎖国などの悪事がどこまで家康の本望だったか疑わしいと私は思います。
大御所様の死後、彼らのうち御三家の付家老にでもなれたのはいいほうで、 あとは秀忠に嫌われて失脚したり島原の乱で討死したり、淋しい末路の人が多い。駿河のことは夢のまた夢。
一36-106,141-189,218-249,278-281二114-126,167-185,223-227,251-260,298三33-53,220-224七149八155十九60-66,176
幕末一10四130,166七15 十一141二十七41-46二十八101三十四24-25
杉浦元衛「駿府の時代」(2019.静岡新聞社)
徳川家康/徳川秀忠/天海/林羅山/ウィリアム・アダムス/ヤン・ヨーステン

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