いのうえでんべえ井上正直
天明三年に幕府の徒士として生まれ、直心影流・藤川近義の道場に学んで門下三傑に数えられた。島田虎之助との逸話は大石進との事という説もあり。 とにかくイイ人だったのは確かである。
隠居して下谷車坂に道場を構えていたが、天保九年に暗殺される。「想古録」によると鳥居に矢部定謙暗殺を頼まれて断られたので 口封じされたといわれている。
島田虎之助より強い人がなぜ本庄茂平次ごときに殺されてしまったのだろうか?「想古録」では最初に桶のタガみたいなものをかぶせられて動きを封じられてやられたとある。 「甲子夜話」に至っては犯人は本庄にあらず、剣術試合の遺恨だかで四人がかりで襲われたとされている。
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杉田幸三「決定版日本剣客事典」(2008.河出文庫)・森銑三「史伝閑歩」(1985.弥生書房)・中里介山「日本武術神妙記正・続」(1999.島津書房)
井上伝之丞/井上伝十郎/島田虎之助/ 本庄茂平次

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